成灰の裂目 画像

じょうけ の さけめ成灰の裂目

作家名
マツイ フユコ 松井 冬子
作家英名
MATSUI, Fuyuko 
生年
1974年
没年
-
制作年
2006年(平成18年) 
技法、材質、形状
絹本着色、軸装(一幅) 
縦(高) × 横(幅) × 奥行(厚)
32.5 x 81.9 cm 
受入種別
購入 
分野名
日本画 
収蔵品番号
2012-JP-001 

仏教の美術に、「九相図くそうず」と呼ばれる連作があります。屋外に放置された人の死体、多くは女性の死体が、だんだんに腐って白骨になるまでの変化を、九つの場面に描き分けた絵です。生前の美しさと無関係に変化する死体の絵が、悟りに至る僧侶の雑念を取りはらうために用いられました。作者は、「九相図くそうず」に想を得て、生のはかなさと死を、自分自身の解釈による10作として構想しました。これはその3番目にあたります。女体の周りに描かれた春蘭しゅんらんはいびつな形で、菊の花はただれたように咲いています。まるで女体の朽ちるさまに調子を合わせるかのようです。作品名の「成灰じょうけ」とは、骨が散らばって、それがさらに朽ち果て灰のようになる姿をいいます。
(八柳サエ)

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