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仏教の美術に、「九相図くそうず」と呼ばれる連作があります。屋外に放置された人の死体、多くは女性の死体が、だんだんに腐って白骨になるまでの変化を、九つの場面に描き分けた絵です。生前の美しさと無関係に変化する死体の絵が、悟りに至る僧侶の雑念を取りはらうために用いられました。作者は、「九相図くそうず」に想を得て、生の儚はかなさと死を、自分自身の解釈による10作として構想しました。これはその3番目にあたります。女体の周りに描かれた春蘭しゅんらんはいびつな形で、菊の花はただれたように咲いています。まるで女体の朽ちる様さまに調子を合わせるかのようです。作品名の「成灰じょうけ」とは、骨が散らばって、それがさらに朽ち果て灰のようになる姿をいいます。(八柳サエ)
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仏教の美術に、「九相図」と呼ばれる連作があります。屋外に放置された人の死体、多くは女性の死体が、だんだんに腐って白骨になるまでの変化を、九つの場面に描き分けた絵です。生前の美しさと無関係に変化する死体の絵が、悟りに至る僧侶の雑念を取りはらうために用いられました。作者は、「九相図」に想を得て、生の儚さと死を、自分自身の解釈による10作として構想しました。これはその3番目にあたります。女体の周りに描かれた春蘭はいびつな形で、菊の花はただれたように咲いています。まるで女体の朽ちる様に調子を合わせるかのようです。作品名の「成灰」とは、骨が散らばって、それがさらに朽ち果て灰のようになる姿をいいます。
(八柳サエ)