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かつては日本各地の浜辺の冬の風物詩だった、海の苔りの天てん日ぴ干ぼし。この絵の取材地はわかっていませんが、横浜の画家・雞村にとっては身近な題材だったことでしょう。横浜の根岸湾は当時遠浅とおあさの豊かな漁場で、海苔の養殖が盛んだったためです。その光景は、雞村を厚く支援した実業家・原三溪はらさけいが横浜に造った庭園「三溪園」からもよく見渡せました。雞村はこの絵で、漁ぎょ具ぐのかたちの面白さを際立たせました。海苔が整然と並ぶ干し場。束ねた「海苔ひび(海中で海苔を付着させる木の枝)」のこんもりとした形。その後ろには、櫂かいを使って広げた袋ふくろ網あみが高々と干されています。のびやかな構図がおおらかさを感じさせる一方、細部はとても綿密に描かれています。(内山淳子)
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かつては日本各地の浜辺の冬の風物詩だった、海苔の天日干し。この絵の取材地はわかっていませんが、横浜の画家・雞村にとっては身近な題材だったことでしょう。横浜の根岸湾は当時遠浅の豊かな漁場で、海苔の養殖が盛んだったためです。その光景は、雞村を厚く支援した実業家・原三溪が横浜に造った庭園「三溪園」からもよく見渡せました。
雞村はこの絵で、漁具のかたちの面白さを際立たせました。海苔が整然と並ぶ干し場。束ねた「海苔ひび(海中で海苔を付着させる木の枝)」のこんもりとした形。その後ろには、櫂を使って広げた袋網が高々と干されています。のびやかな構図がおおらかさを感じさせる一方、細部はとても綿密に描かれています。
(内山淳子)