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1才で亡くなった次女・郁代を描いています。清之は大胆に抽象化された晩年の人物画などで知られますが、壮年期には、古典絵画に学んだ墨の線が美しいこうした作品を残しました。清之はこの絵を郁代の忘れ形見として愛蔵し、後に友人の表具師・小お川がわ泰ゆたかに頼んで、モダン表装とも呼ばれる現代的なスタイルの掛軸にしました。絵の周囲には、薄茶色の無地の裂きれ地じが取り回されています。画面の左端に描かれた襖ふすまの桟さんが、裂地と一体化して見えるように考えられているため、裂地が襖の面のようにも見え、いかにも郁代が襖につかまって掛軸の中から出てきそうに感じられます。そうした表装の妙を展示室で楽しめることも、日本画鑑賞の魅力のひとつです。(内山淳子)
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1才で亡くなった次女・郁代を描いています。清之は大胆に抽象化された晩年の人物画などで知られますが、壮年期には、古典絵画に学んだ墨の線が美しいこうした作品を残しました。清之はこの絵を郁代の忘れ形見として愛蔵し、後に友人の表具師・小川泰に頼んで、モダン表装とも呼ばれる現代的なスタイルの掛軸にしました。絵の周囲には、薄茶色の無地の裂地が取り回されています。画面の左端に描かれた襖の桟が、裂地と一体化して見えるように考えられているため、裂地が襖の面のようにも見え、いかにも郁代が襖につかまって掛軸の中から出てきそうに感じられます。そうした表装の妙を展示室で楽しめることも、日本画鑑賞の魅力のひとつです。
(内山淳子)