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海岸の砂浜に3羽のかもめがいます。写真には、砂浜の波打つ模様とかもめ以外は写されておらず、この海岸は一体どこで、周りにはどんな景色が広がっていたのかを知ることはできません。けれども、砂浜の幾何学模様と静寂というタイトルとが重なって、作家はこの作品で抽象画のような写真を作りたかったのだと気づかされます。事実、ネガ画像には砂浜はもっと広い範囲まで写されており、画面左上には打ち寄せる波も見えました。作家はおそらく、自分が目指す構図を作るため、余計な要素を取り除いたのでしょう。河野浅八は、こうした抽象的な表現が得意な写真家でした。戦前はアメリカで活動し、世界中の写真サロンに作品が入選しました。(大澤紗蓉子)■関連資料・大澤紗蓉子【研究ノート】1920-40年代の在米日本人写真家たちに関する基礎調査─日本人カメラ・ピクトリアリスト・オブ・カリフォルニアに関する概要と年表(PDF)(『横浜美術館研究紀要』第23号、横浜美術館、2022年、pp.5, 9-28)
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海岸の砂浜に3羽のかもめがいます。写真には、砂浜の波打つ模様とかもめ以外は写されておらず、この海岸は一体どこで、周りにはどんな景色が広がっていたのかを知ることはできません。けれども、砂浜の幾何学模様と静寂というタイトルとが重なって、作家はこの作品で抽象画のような写真を作りたかったのだと気づかされます。事実、ネガ画像には砂浜はもっと広い範囲まで写されており、画面左上には打ち寄せる波も見えました。作家はおそらく、自分が目指す構図を作るため、余計な要素を取り除いたのでしょう。河野浅八は、こうした抽象的な表現が得意な写真家でした。戦前はアメリカで活動し、世界中の写真サロンに作品が入選しました。
(大澤紗蓉子)
■関連資料
・大澤紗蓉子【研究ノート】1920-40年代の在米日本人写真家たちに関する基礎調査─日本人カメラ・ピクトリアリスト・オブ・カリフォルニアに関する概要と年表(PDF)
(『横浜美術館研究紀要』第23号、横浜美術館、2022年、pp.5, 9-28)