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画家としての山本の出発点は、人物画にあります。23歳の時の《立てる像 II》は、日本画の素材を用いて人間の実在感を自分なりにどう表すか、と挑んだものでした。やがて山本は人を直接的に描くことから離れ、聖書や神話の物語を背景とする抽象的な表現へと移っていきます。この作品は1990年代の「DOOR」シリーズの1点。扉とは、人間の内面の世界と外の世界を結び、また遮さえぎりもするもの。滞在したプラハの街に沢山捨てられていたという扉が、接続や開放、閉塞へいそく、拒絶といった人間の心と体のありようを画家に暗示し、新たな素材の可能性を拓ひらきました。ここでは炭化させた木の扉そのものを使い、焼け朽くちる直前の荒々しい肌を見せています。(内山淳子)
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画家としての山本の出発点は、人物画にあります。23歳の時の《立てる像 II》は、日本画の素材を用いて人間の実在感を自分なりにどう表すか、と挑んだものでした。やがて山本は人を直接的に描くことから離れ、聖書や神話の物語を背景とする抽象的な表現へと移っていきます。この作品は1990年代の「DOOR」シリーズの1点。扉とは、人間の内面の世界と外の世界を結び、また遮りもするもの。滞在したプラハの街に沢山捨てられていたという扉が、接続や開放、閉塞、拒絶といった人間の心と体のありようを画家に暗示し、新たな素材の可能性を拓きました。ここでは炭化させた木の扉そのものを使い、焼け朽ちる直前の荒々しい肌を見せています。
(内山淳子)