背筋の女 画像

せすじ の おんな背筋の女

作家名
アリシマ イクマ 有島 生馬
作家英名
ARISHIMA, Ikuma 
生年
1882年
没年
1974年
制作年
1909年(明治42年) 
技法、材質、形状
油彩、カンヴァス 
縦(高) × 横(幅) × 奥行(厚)
40.5 x 32.8 cm 
受入種別
購入 
分野名
油彩その他の絵画(日本作家) 
収蔵品番号
85-OJ-001 

こちらを見つめる女性の首すじには、窓の外から降りそそぐ柔らかな光が当たっています。画家の関心がモデルの顔の再現よりも、この光の表現にあったであろうことは、その題名からも読み取れます。この絵は、横浜生まれの画家、有島生馬が留学先のフランスで描いた作品。有島は、1906年にパリでセンセーションを巻き起こしたポール・セザンヌの大回顧展を見る幸運に恵まれました。そこで衝撃を受けた彼は、雑誌への寄稿を通じて日本へのセザンヌの紹介にも力を尽くしました。あらく素早い筆遣ふでづかいで光をとらえようとするこの絵には、印象派やセザンヌに学んだ新しい表現を、わがものにしようとする画家の意気込みや葛藤かっとうがあらわれています。
(片多祐子)

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