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河野通勢は、若き日の自画像を数多く残しました。23歳の頃に描いたこの絵もそのひとつです。見る人の記憶に粘りつくような、徹底した写実描写。静けさと熱気が共存するような、独特の気配を発しています。着物の襟えり元もとが左右逆なのは、鏡を見たままに描いたから。真っ直ぐな眼差しを、画面左側からの光が際立たせます。父が集めていた画集を通し、幼い頃から西欧の絵画に親しんだ通勢。陰影を強調し、細密に描いた通勢の自画像には、とくに北ヨーロッパのルネサンス美術の影響が表れています。なかでも毛皮をまとったこの絵は、ドイツの画家・デューラーが描いた有名な《毛皮の襟付きのコートを着た自画像》(1500年)を想い起こさせます。(内山淳子)
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河野通勢は、若き日の自画像を数多く残しました。23歳の頃に描いたこの絵もそのひとつです。見る人の記憶に粘りつくような、徹底した写実描写。静けさと熱気が共存するような、独特の気配を発しています。着物の襟元が左右逆なのは、鏡を見たままに描いたから。真っ直ぐな眼差しを、画面左側からの光が際立たせます。父が集めていた画集を通し、幼い頃から西欧の絵画に親しんだ通勢。陰影を強調し、細密に描いた通勢の自画像には、とくに北ヨーロッパのルネサンス美術の影響が表れています。なかでも毛皮をまとったこの絵は、ドイツの画家・デューラーが描いた有名な《毛皮の襟付きのコートを着た自画像》(1500年)を想い起こさせます。
(内山淳子)