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佐伯は生涯に2度パリに渡っています。この作品は最初の渡仏後、結核を案じた家族に連れ戻され帰国した際に描かれました。この短い日本滞在中、画家は油絵の具でどのように日本の風土や風物を描くべきかと悩みます。そして実家のある大阪と、アトリエがあった東京の下落合しもおちあいを往復し、絵になる風景を探しました。そうした中、佐伯の心を捉えたもののひとつが、姉の家からほど近い大阪の安治川あじがわや尻無川しりなしがわの帆船でした。彼は四国から炭や材木などを運ぶそれらの船を主題に20点ほど描きました。その一連の作品群のなかでも、この作品はひときわ暗く重たい空模様が特徴的です。そこにはパリを懐かしむ作家の沈んだ心持が映し出されているかのようです。 (片多祐子)
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佐伯は生涯に2度パリに渡っています。この作品は最初の渡仏後、結核を案じた家族に連れ戻され帰国した際に描かれました。この短い日本滞在中、画家は油絵の具でどのように日本の風土や風物を描くべきかと悩みます。そして実家のある大阪と、アトリエがあった東京の下落合を往復し、絵になる風景を探しました。そうした中、佐伯の心を捉えたもののひとつが、姉の家からほど近い大阪の安治川や尻無川の帆船でした。彼は四国から炭や材木などを運ぶそれらの船を主題に20点ほど描きました。その一連の作品群のなかでも、この作品はひときわ暗く重たい空模様が特徴的です。そこにはパリを懐かしむ作家の沈んだ心持が映し出されているかのようです。
(片多祐子)