東京新大橋雨中図 画像 拡大する

とうきょう しんおおはし うちゅう の ず東京新大橋雨中図

作家名
コバヤシ キヨチカ 小林 清親
作家英名
KOBAYASHI, Kiyochika 
生年
1847年
没年
1915年
制作年
1876年(明治9) 
技法、材質、形状
木版 
縦(高) × 横(幅) × 奥行(厚)
21.5 x 33.2 cm 
受入種別
寄贈 
寄贈者名
加藤栄一氏
分野名
版画(日本作家) 
収蔵品番号
85-PRJ-027 

きもののすそをからげて歩く、後ろ姿の女性。橋を行く人もみな傘をさしていますが、彼女の足もとの水たまりはしぶきを上げておらず、雨は小降りになってきたようです。水平線から立ちのぼる陽光に空の色はうつろい、川のおもてもシマシマにきらめいています。
幕末に武士の子として生まれた小林清親は、新しい明治の社会で浮世絵師になりました。大きな政変によって支配層が入れかわり、異国の文物が次つぎ流入してきても、日々のくらしはゆるやかにしか変わり得ないもの。江戸から東京に名を転じた町を変わらず流れる隅田川と、その上に少しずつ広がっていく雨後の光に、清親は、維新の世情をかさねて見たのかもしれません。
(坂本恭子)

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