海運橋(第一銀行雪中) 画像 拡大する

かいうんばし(だいいちぎんこうせっちゅう)海運橋(第一銀行雪中)

作家名
コバヤシ キヨチカ 小林 清親
作家英名
KOBAYASHI, Kiyochika 
生年
1847年
没年
1915年
制作年
1876年頃(明治9年頃) 
技法、材質、形状
木版 
縦(高) × 横(幅) × 奥行(厚)
21.7 x 33.6 cm 
エディション
受入種別
寄贈 
寄贈者名
加藤栄一氏
分野名
版画(日本作家) 
収蔵品番号
85-PRJ-031 

画面を左右に横切るのは、明治元年(1868)に縁起をかついで改名し、1875年に石造りとなった海運橋かいうんばし。そのむこう、唐銅からかね(青銅)の緑が雪に映える建物が、1873年開業の日本初の銀行・第一銀行です。木骨もっこつに石造五階建て、かわら屋根やねと城郭風の塔にベランダ、という洋折ようせっちゅうぶり。これら新しい時代を象徴する建造物に向かって、きもの姿の女性が進んでいく――新旧まじり合う世相をたくみに捉えた構成です。
女性の番傘の「銀座」「岸田」は、多彩な活動を展開したきし吟香ぎんこうきしりゅうせいの父)の薬屋・楽善堂らくぜんどうのものと考えられています。「銀行」に「吟香」。明治の浮世絵師・清親は、ことば遊びやしゃを愛した江戸のふうも、こっそり忍び込ませたのかもしれません。
(坂本恭子)

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