当サイトではJavaScriptを使用しております。 JavaScriptをONにして再読み込みを行ってください。
このページの本文へ移動
横浜美術館コレクション検索
English
コレクション検索TOPへ
「むかし、男ありけり」で始まる伊勢物語の第九段に取材しています。「男」とは、多彩な恋愛で知られた歌人の在原業平ありわらのなりひらになぞらえた、この歌物語の主人公です。男は、京をはなれ東国へ向かう途上、駿河国するがのくに(現静岡県)に入り宇う津つの山にいたります。つたやカエデがしげる暗く細い山道に分け入ると、京で知り合いであった修行者にたまたま出会います。男は、京にいる思い人への手紙を修行者に託します。その手紙には恋人に逢えないもどかしさを嘆く次の和歌が含まれていました。
駿河なる宇津の山やま辺べのうつつにも夢にも人に逢はぬなりけり
Page Top
「むかし、男ありけり」で始まる伊勢物語の第九段に取材しています。「男」とは、多彩な恋愛で知られた歌人の在原業平になぞらえた、この歌物語の主人公です。男は、京をはなれ東国へ向かう途上、駿河国(現静岡県)に入り宇津の山にいたります。つたやカエデがしげる暗く細い山道に分け入ると、京で知り合いであった修行者にたまたま出会います。男は、京にいる思い人への手紙を修行者に託します。その手紙には恋人に逢えないもどかしさを嘆く次の和歌が含まれていました。
駿河なる宇津の山辺のうつつにも夢にも人に逢はぬなりけり
木々や下草のしげる荒れた山道でまさに修行者と出会う場面を縦に長い構図で描いています。
(柏木智雄)