空襲警報、ビルバオ、スペイン 画像 拡大する

くうしゅう けいほう、ビルバオ、スペイン空襲警報、ビルバオ、スペイン

作家名
キャパ、ロバート キャパ、ロバート
作家英名
CAPA, Robert 
生年
1913年
没年
1954年
制作年
1937年(1985年の再プリント) 
技法、材質、形状
ゼラチン・シルバー・プリント 
縦(高) × 横(幅) × 奥行(厚)
38.5 x 48.4 cm 
受入種別
購入 
分野名
写真・映像(外国作家) 
収蔵品番号
87-PHF-051 

人びとが舗道ほどうにたたずみ空を見上げています。大きく首をそらす母に手を引かれながら、少女はコートのボタンを掛けちがえ、右肩も後ろにずり落ちたまま小走りに…。その不安げな瞳は斜め前方にぴたっと吸いつき、交差点の向こうも不穏ふおんな気配に満ちているようです。目には見えない警報の音が人間の仕草しぐさや表情によってかたちをとった瞬間を、カメラは逃さず捉えました。
当時スペインでは、思想の違いが原因で国民同士が激しい戦闘を繰り広げていました。この写真に先立つ4月にはビルバオ東方の街が爆撃され、ピカソは怒りをこめて《ゲルニカ》を描くことになりますが、キャパの小さな写真もまた、独裁へとつづいていく厳しい時代の証言なのです。
(坂本恭子)

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