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1954年4月、キャパは毎日新聞社の招きで初めて日本を訪れます。19日間の滞在中、東京、熱海、関西を周遊し、各地で撮影をしました。「桜の花よりも、その下に生きている日本の人々のほうが魅力的だ」という言葉通り、その写真の多くが市し井せいの人々、とりわけ子どもを写したものです。奈良の東大寺で撮影したこの一枚で、かの大仏ではなく、それを見ている修学旅行の学生たちのほうにファインダーが向けられているのは象徴的です。 キャパ晩年のささやかな逸話としてしか語られないこの日本滞在ですが、彼が日本で残した写真群もまた、「もの」や「状況」よりもまず「人」、というキャパの視線のありようを色濃く浮かび上がらせています。(松永真太郎)
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1954年4月、キャパは毎日新聞社の招きで初めて日本を訪れます。19日間の滞在中、東京、熱海、関西を周遊し、各地で撮影をしました。「桜の花よりも、その下に生きている日本の人々のほうが魅力的だ」という言葉通り、その写真の多くが市井の人々、とりわけ子どもを写したものです。奈良の東大寺で撮影したこの一枚で、かの大仏ではなく、それを見ている修学旅行の学生たちのほうにファインダーが向けられているのは象徴的です。
キャパ晩年のささやかな逸話としてしか語られないこの日本滞在ですが、彼が日本で残した写真群もまた、「もの」や「状況」よりもまず「人」、というキャパの視線のありようを色濃く浮かび上がらせています。
(松永真太郎)