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画業の初期より種々の版画の技法を手がけたピカソ。1950年代後半からは、やわらかなリノリウムを版にする「リノカット」に取り組みました。齢よわい80に達しても冒険心と遊び心は衰えず、ピカソはここでも、色ごとに版を変えるのではなく、一枚のリノリウムを彫り進める独自の手法を編みだします。この作品の刷りは2回。金属の櫛くしを走らせて明暗の調子をつくり、額や頬骨ほおぼねのハイライト部を鑿のみで削って1回目。その版から、太い眉、まつ毛、唇などのパーツと各所の輪郭線以外をごっそり削そぎ落おとして刷り重ね、若き妻ジャクリーヌのきりっとした顔を写しとったのです。濃い顔立ちに負けない掌てのひらの描写にも、画家の絶妙なバランス感覚が効いています。(坂本恭子)
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画業の初期より種々の版画の技法を手がけたピカソ。1950年代後半からは、やわらかなリノリウムを版にする「リノカット」に取り組みました。齢80に達しても冒険心と遊び心は衰えず、ピカソはここでも、色ごとに版を変えるのではなく、一枚のリノリウムを彫り進める独自の手法を編みだします。
この作品の刷りは2回。金属の櫛を走らせて明暗の調子をつくり、額や頬骨のハイライト部を鑿で削って1回目。その版から、太い眉、まつ毛、唇などのパーツと各所の輪郭線以外をごっそり削ぎ落として刷り重ね、若き妻ジャクリーヌのきりっとした顔を写しとったのです。濃い顔立ちに負けない掌の描写にも、画家の絶妙なバランス感覚が効いています。
(坂本恭子)