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貝殻から卵がにゅるっと抜け出た瞬間。そんなふうにも見えますね。なんの関係もないものを並置することで、それぞれがまったく違う存在に感じられてくる、この新鮮な驚きをとおして新しい価値観・世界観を拓いていこう——これは、シュルレアリスムが得意とした戦略のひとつでした。どちらも白い殻ですが、片や新たな生命を包み守るもの、片や自然の死し骸がいにあたるもの。対称をなす左手と右手に、生と死が握られているわけです。しかも、ここで用いられているソラリゼーションは、フィルムの現像時に強い光を当て、部分的に白(光)と黒(影)を反転させる技法。一枚の写真のなかに、世界を成りたたせる様々な対立と共存がうずまいているようです。(坂本恭子)
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貝殻から卵がにゅるっと抜け出た瞬間。そんなふうにも見えますね。なんの関係もないものを並置することで、それぞれがまったく違う存在に感じられてくる、この新鮮な驚きをとおして新しい価値観・世界観を拓いていこう——これは、シュルレアリスムが得意とした戦略のひとつでした。
どちらも白い殻ですが、片や新たな生命を包み守るもの、片や自然の死骸にあたるもの。対称をなす左手と右手に、生と死が握られているわけです。しかも、ここで用いられているソラリゼーションは、フィルムの現像時に強い光を当て、部分的に白(光)と黒(影)を反転させる技法。一枚の写真のなかに、世界を成りたたせる様々な対立と共存がうずまいているようです。
(坂本恭子)