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後ろ向きと横向きのふたりの立像。彼らを囲んで、背中・左手・右手の三方向から捉えた人びとが屈かがんでいます。5人がつくる円陣の中央には、水に浸つかった半身像がひとつ。ポーズの見本市のようなこの群像の頭上で、樹木が美しいアーチをかたどっています。1870年代以降の膨大な水浴図において、セザンヌは、種々のヌードとその配置のアレンジを執拗しつように繰り返しました。一方、人物のゆらめく輪郭、枝葉の軽やかなタッチは、風や光を受けてうつろう自然の表情もつかまえたい、という強い意思を示しています。古典主義ふうのかっちりした画面づくりと、印象派に学んだ自然主義との融合。それは、晩年の画家が目ざした絵画の究極のすがたでした。(坂本恭子)
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後ろ向きと横向きのふたりの立像。彼らを囲んで、背中・左手・右手の三方向から捉えた人びとが屈んでいます。5人がつくる円陣の中央には、水に浸かった半身像がひとつ。ポーズの見本市のようなこの群像の頭上で、樹木が美しいアーチをかたどっています。
1870年代以降の膨大な水浴図において、セザンヌは、種々のヌードとその配置のアレンジを執拗に繰り返しました。一方、人物のゆらめく輪郭、枝葉の軽やかなタッチは、風や光を受けてうつろう自然の表情もつかまえたい、という強い意思を示しています。古典主義ふうのかっちりした画面づくりと、印象派に学んだ自然主義との融合。それは、晩年の画家が目ざした絵画の究極のすがたでした。
(坂本恭子)