東京十二ヶ月 三十間堀の暮雪 画像 拡大する

とうきょう じゅうにかげつ さんじっけんぼり の ぼせつ東京十二ヶ月 三十間堀の暮雪

作家名
カワセ ハスイ 川瀬 巴水
作家英名
KAWASE, Hasui 
生年
1883
没年
1957
制作年
1920年(大正9年) 
技法、材質、形状
木版 
縦(高) × 横(幅) × 奥行(厚)
径 26.0 cm 
受入種別
購入 
分野名
版画(日本作家) 
収蔵品番号
88-PRJ-145 

下辺の題字の右上に「わ多奈遍わたなべ」の印、左下に年記が見えます。「わたなべ」は、絵師えしほりすりの分業を大正期に復活させた木版画の版元・渡邊わたなべ庄三郎しょうざぶろうです。12月7日の夕暮れ、巴水と庄三郎は銀座を歩いていましたが、三十間堀ざんじっけんぼりにいたったところで巴水が突如スケッチに没頭。盟友ともいえる絵師に、庄三郎は黙って傘をさしかけていたとか。
吹雪ふぶきにけぶる視界と、積雪のやわらかな感触を再現するために、版木をヤスリやタワシでこするといった方法も試みられました。かわの青緑には黄が混じり、ゆらめく光の反射も巧みに描かれています。かじかむ指で写生を続けた絵師の記憶そのものを、室内の丸窓からのぞき見ている気分になる。いきな構図です。
(坂本恭子)

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