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オルフェウスはギリシア神話の竪たて琴ごとの名手で、亡き妻エウリディケを取り戻そうと冥めい府ふに下ります。彼は詩と音楽で冥めい府ふの王ハデスを説得し、妻を連れ帰る許しを得ます。地上に戻る道すがら不安にかられたオルフェウスは、約束に背そむき振り返ってしまいます。この像はその瞬間を表します。足首から下を闇に浸ひたして歩みつつ、腰を捻ひねって後ろを見るオルフェウス。その姿をザツキンは偶然見つけたX字形の木片から発想しました。上半身は彫刻家も愛用した竪琴と一体化しています。冥府と地上を行き来するオルフェウスは無意識を探訪するシュルレアリスト(超現実主義者)の先駆けといえ、彼の変容した様は、ホロコーストを逃げ延びたザツキン自身とも重なります。(中村尚明)
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オルフェウスはギリシア神話の竪琴の名手で、亡き妻エウリディケを取り戻そうと冥府に下ります。彼は詩と音楽で冥府の王ハデスを説得し、妻を連れ帰る許しを得ます。地上に戻る道すがら不安にかられたオルフェウスは、約束に背き振り返ってしまいます。この像はその瞬間を表します。足首から下を闇に浸して歩みつつ、腰を捻って後ろを見るオルフェウス。その姿をザツキンは偶然見つけたX字形の木片から発想しました。上半身は彫刻家も愛用した竪琴と一体化しています。冥府と地上を行き来するオルフェウスは無意識を探訪するシュルレアリスト(超現実主義者)の先駆けといえ、彼の変容した様は、ホロコーストを逃げ延びたザツキン自身とも重なります。
(中村尚明)