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震災の日の清之の日記には「太平の世の中に殆ほとんど昔話として想像していた地異が、突如として起った」と書かれています。横浜の山元町の家が倒壊した清之は、数日のあいだ野や営えいをしながら焼け跡に通い、凄惨せいさんな光景を夢中でスケッチしました。その後すぐに両親を避難させるため向かった新潟で、この絵を手がけました。山手の丘から見下ろした鳥瞰ちょうかん図ずの様式で、焼け野原となった山下町、関内、伊勢佐木町周辺をすばやいタッチで描いています。生々しい記憶を何とか1点の絵に仕上げようと、自らを奮い立たせたことでしょう。「横浜正金銀行よこはましょうきんぎんこう」「開港記念会館」などの焼け残った建物が名称とともに細かく描き込まれ、当時の貴重な記録にもなっています。(内山淳子)
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震災の日の清之の日記には「太平の世の中に殆ど昔話として想像していた地異が、突如として起った」と書かれています。横浜の山元町の家が倒壊した清之は、数日のあいだ野営をしながら焼け跡に通い、凄惨な光景を夢中でスケッチしました。その後すぐに両親を避難させるため向かった新潟で、この絵を手がけました。山手の丘から見下ろした鳥瞰図の様式で、焼け野原となった山下町、関内、伊勢佐木町周辺をすばやいタッチで描いています。生々しい記憶を何とか1点の絵に仕上げようと、自らを奮い立たせたことでしょう。「横浜正金銀行」「開港記念会館」などの焼け残った建物が名称とともに細かく描き込まれ、当時の貴重な記録にもなっています。
(内山淳子)