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結婚をひかえた中国の若い女性。しぶい色味の装束ですが、紗しゃのような透けた感じの上うわ衣ぎには漆黒しっこくの花模様がほどこされ、細い縁どりはおさえた金。シックだけれど、じつはきわめて豪奢ごうしゃな意匠です。帽子のかざり、唇、ピンク翡ひ翠すいの煙草たばこ入いれとその房飾ふさかざりの朱、頬や爪に置かれた桃色、さらには煙管きせるの黄が、モノクロームに近い作品にほんのりと華やかさを添えています。主人公が引き立つように、背景は、やはり上品にきらめく銀一色で仕上げられました。汚けがれにあっても染まらず清らかにあることの喩たとえ「泥でい中ちゅうの蓮はちす」を引き、花嫁を「黒い蓮華」と名づけたジャクレー。フランス人浮世絵師の、東洋の文化と伝統に対する精通ぶりを見せつける一作です。(坂本恭子)
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結婚をひかえた中国の若い女性。しぶい色味の装束ですが、紗のような透けた感じの上衣には漆黒の花模様がほどこされ、細い縁どりはおさえた金。シックだけれど、じつはきわめて豪奢な意匠です。帽子のかざり、唇、ピンク翡翠の煙草入れとその房飾りの朱、頬や爪に置かれた桃色、さらには煙管の黄が、モノクロームに近い作品にほんのりと華やかさを添えています。主人公が引き立つように、背景は、やはり上品にきらめく銀一色で仕上げられました。
汚れにあっても染まらず清らかにあることの喩え「泥中の蓮」を引き、花嫁を「黒い蓮華」と名づけたジャクレー。フランス人浮世絵師の、東洋の文化と伝統に対する精通ぶりを見せつける一作です。
(坂本恭子)