いわ の うえ の めがみ岩の上の女神
- 作家英名
- MOREAU, Gustave
- 生年
- 1826年
- 没年
- 1898年
- 制作年
- 1890年頃
- 技法、材質、形状
- 水彩、グワッシュ、紙
- 縦(高) × 横(幅) × 奥行(厚)
- 30.2 x 19.7 cm
- 受入種別
- 寄贈
- 寄贈者名
- 坂田武雄氏
- 分野名
- 水彩・素描(外国作家)
- 収蔵品番号
- 83-DRF-011
「じっくりみる この一点 ギュスターヴ・モロー 《岩の上の女神》」(動画 2022年1月)
横浜美術館のコレクションを、解説をあえて加えず、細部のクローズアップや、さまざまな角度からとらえた映像でご紹介します。
うす暗い洞窟のなかで光り輝く女神。右腕に巻きつく緑の大蛇や頭上を舞う黒い鳥。きらびやかな岩肌を背にしたその表情は、もの憂げにも、いたずらっ気をたたえたようにも映ります。おそらくは、モローの好んだ「ファム・ファタル」(聖書や神話に登場する、男を破滅させる「運命の女」)の女性像がいくつか混ぜ合わされたものです。しかし、その典拠は明らかではありません。また体つきを見れば、にわかには性別の判断もつかなくなります。タイトルで女神という名で呼ばれた者の正体は、はぐらかされ続けるのです。こうした不確かさこそが、この女神(?)のもつ魅力の源なのでしょう。
(南島興)