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扉の開いた戸口。梁はりには、ふたつの下半身が向き合うように腹部でつながった人形が、暗い室内から浮き出るように、吊り下げられています。左からの強い光が、扉の上にくっきりと人形の影を焼き付けています。画面左下には花束が、扉の取とっ手ての高さに吊るされています。取手も、花の丸い房ふさも、男根の象徴でしょう。人形はなぜ二つの下半身を持つのか? ベルメールによれば、人には興奮の源となる部位があり、そこでの欲求が禁止されると、その部位は意識から切り離されます。すると欲求自体は体の別の部位にとりつき、新しい意味と当たり障りのない現実を装うのです。人形の上半身は下半身を複製することで、禁じられたエロスを引き受けています。(中村尚明)
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扉の開いた戸口。梁には、ふたつの下半身が向き合うように腹部でつながった人形が、暗い室内から浮き出るように、吊り下げられています。左からの強い光が、扉の上にくっきりと人形の影を焼き付けています。画面左下には花束が、扉の取手の高さに吊るされています。取手も、花の丸い房も、男根の象徴でしょう。人形はなぜ二つの下半身を持つのか? ベルメールによれば、人には興奮の源となる部位があり、そこでの欲求が禁止されると、その部位は意識から切り離されます。すると欲求自体は体の別の部位にとりつき、新しい意味と当たり障りのない現実を装うのです。人形の上半身は下半身を複製することで、禁じられたエロスを引き受けています。
(中村尚明)