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この写真を前にしたら、だれもが一瞬「???」と戸惑うのではないでしょうか。そう! 正体は足の親指。フランスの思想家ジョルジュ・バタイユの、その名も「足の親指」と題したエッセイの挿図になった作品です。バタイユは、我々は天空ちかくにあるものが神聖で、泥土どろつちにまみれたものは下等だと決めつけがちだけれども、人間を人間たらしめた二足歩行は、まさにこの、足の親指に支えられているではないか、と主張します。既成の価値観にとらわれず、かっと目を開いて現実を見つめ、そこから真の生をつかみとっていこう――漆黒しっこくのなかに顔を出すこのちっぽけな存在には、奇想天外にしてこれ以上ないくらい強い、ひとつの思想が託されているのです。(坂本恭子)
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この写真を前にしたら、だれもが一瞬「???」と戸惑うのではないでしょうか。そう! 正体は足の親指。フランスの思想家ジョルジュ・バタイユの、その名も「足の親指」と題したエッセイの挿図になった作品です。
バタイユは、我々は天空ちかくにあるものが神聖で、泥土にまみれたものは下等だと決めつけがちだけれども、人間を人間たらしめた二足歩行は、まさにこの、足の親指に支えられているではないか、と主張します。既成の価値観にとらわれず、かっと目を開いて現実を見つめ、そこから真の生をつかみとっていこう――漆黒のなかに顔を出すこのちっぽけな存在には、奇想天外にしてこれ以上ないくらい強い、ひとつの思想が託されているのです。
(坂本恭子)