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終戦の翌年に撮影されたこの写真には、ふたりの少年が写されています。ひとりは大人びた顔でたばこを吸い、もうひとりは古びた布を腰にだけ巻いた姿です。ふたりの足元には箸の入ったあき缶があり、食後のひとときかと想像させます。当時の上野駅周辺には、戦争で親を亡くした子どもたちが暮らしていました。写真家の林忠彦は、こうした上野の撮影を戦後最初の仕事として選びます。またこの頃の林は、「抑圧された社会から解き放たれたささやかな光明を求める気持ちと、生きるための貪欲な死にものぐるいの勢い」を持っていたとも回想しています。自身の境遇に悲観することなく、強したたかに生きる少年たちの姿に、林は不屈の精神を感じたのでしょう。(大澤紗蓉子)
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終戦の翌年に撮影されたこの写真には、ふたりの少年が写されています。ひとりは大人びた顔でたばこを吸い、もうひとりは古びた布を腰にだけ巻いた姿です。ふたりの足元には箸の入ったあき缶があり、食後のひとときかと想像させます。当時の上野駅周辺には、戦争で親を亡くした子どもたちが暮らしていました。写真家の林忠彦は、こうした上野の撮影を戦後最初の仕事として選びます。またこの頃の林は、「抑圧された社会から解き放たれたささやかな光明を求める気持ちと、生きるための貪欲な死にものぐるいの勢い」を持っていたとも回想しています。自身の境遇に悲観することなく、強かに生きる少年たちの姿に、林は不屈の精神を感じたのでしょう。
(大澤紗蓉子)