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暗い背景のなかに浮かび上がるスーツ姿の男性。足を組んでソファーに腰かけていることはかろうじて分かりますが、顔や身体の各所がねじ曲がり、なんとも怪しげな印象を与えています。歪ゆがめることによってその人物の「真の姿」をあらわにすることを目指した、この画家ならではの表現スタイルです。近年の研究では、この作品のモデルは当時のベーコンの恋人、ピーター・レイシーだとされています(この作品が描かれた翌年に死去)。その歪ゆがんだ造形には、ベーコンが「不安定で神経質な人物」とみなしていたレイシーの「真の姿」が、10年来の恋人に対する画家自身の情愛の念とともに写し出されているでしょう。(松永真太郎)■関連資料・金井真悠子「フランシス・ベーコン《座像》研究ノート」(PDF)(『横浜美術館研究紀要』第21号、横浜美術館、2020年、pp. 8, 61-71)
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暗い背景のなかに浮かび上がるスーツ姿の男性。足を組んでソファーに腰かけていることはかろうじて分かりますが、顔や身体の各所がねじ曲がり、なんとも怪しげな印象を与えています。歪めることによってその人物の「真の姿」をあらわにすることを目指した、この画家ならではの表現スタイルです。
近年の研究では、この作品のモデルは当時のベーコンの恋人、ピーター・レイシーだとされています(この作品が描かれた翌年に死去)。その歪んだ造形には、ベーコンが「不安定で神経質な人物」とみなしていたレイシーの「真の姿」が、10年来の恋人に対する画家自身の情愛の念とともに写し出されているでしょう。
(松永真太郎)
■関連資料
・金井真悠子「フランシス・ベーコン《座像》研究ノート」(PDF)
(『横浜美術館研究紀要』第21号、横浜美術館、2020年、pp. 8, 61-71)