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切なげに顔を寄せ合うふたり。左側の女性が、傷ついた人を慰めるようにそっと両手を伸ばしています。その腕のラインに連なって広がる袖の襞ひだ。曲線のリズムはさらに、上部では壁紙の模様となって、下辺では絵の縁飾ふちかざりとなって反復し、画面をやわらかな印象に仕立てています。石版せきはん画がのかすれた線やうっすらとした色調も相あい俟まって、秘めやかなやさしさに包まれた作品です。蠟燭ろうそくのゆらめく焔ほのおがふたりの背後に聖者の光輪のような影を映じていますが、じつはこの版画、フランス語でマグダラのマリアを指す「Madeleineマドレーヌ」の別名も。「美しき聖画像の預言者ナビ」と呼ばれたドニは、その作品につねに、聖なるものへの祈りのかけらを織りこみました。(坂本恭子)
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切なげに顔を寄せ合うふたり。左側の女性が、傷ついた人を慰めるようにそっと両手を伸ばしています。その腕のラインに連なって広がる袖の襞。曲線のリズムはさらに、上部では壁紙の模様となって、下辺では絵の縁飾りとなって反復し、画面をやわらかな印象に仕立てています。石版画のかすれた線やうっすらとした色調も相俟って、秘めやかなやさしさに包まれた作品です。
蠟燭のゆらめく焔がふたりの背後に聖者の光輪のような影を映じていますが、じつはこの版画、フランス語でマグダラのマリアを指す「Madeleine」の別名も。「美しき聖画像の預言者」と呼ばれたドニは、その作品につねに、聖なるものへの祈りのかけらを織りこみました。
(坂本恭子)