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長い髪をなびかせる女性と影法師のような男性が抱いだきあい、湖も山並みも、果ては雲さえも、遠く眼下に残して宙を舞っています。丸まる刃はの彫り跡を残す円蓋えんがいは、空くうを切って上昇する風の幕のよう。文学に造詣ぞうけいの深かった長谷川潔が、ウィリアム・バトラー・イェイツの詩集『葦あし間まの風』の印象を刻んだ木版画です。イェイツが綴つづったのは、神や精霊の世界へ誘いざなうアイルランドの妖精たちの歌。でも、ここに描かれた男女に、身も心もひとつにとけ合ってしまいたいと願う、愛のすがたを見ることも不自然ではないでしょう。旋回せんかいするような躍動感やくどうかんも手伝って、青年期の版画家のロマンチックな感性そのままに、どこか熱っぽさのただよう作品が生まれました。(坂本恭子)
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長い髪をなびかせる女性と影法師のような男性が抱きあい、湖も山並みも、果ては雲さえも、遠く眼下に残して宙を舞っています。丸刃の彫り跡を残す円蓋は、空を切って上昇する風の幕のよう。文学に造詣の深かった長谷川潔が、ウィリアム・バトラー・イェイツの詩集『葦間の風』の印象を刻んだ木版画です。
イェイツが綴ったのは、神や精霊の世界へ誘うアイルランドの妖精たちの歌。でも、ここに描かれた男女に、身も心もひとつにとけ合ってしまいたいと願う、愛のすがたを見ることも不自然ではないでしょう。旋回するような躍動感も手伝って、青年期の版画家のロマンチックな感性そのままに、どこか熱っぽさのただよう作品が生まれました。
(坂本恭子)