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光沢のある黒い釉薬ゆうやくを全面にかけ、その上に収縮しやすい白い釉薬を重ねています。ひび割れた肌は、焼成しょうせいによって白釉が収縮してできたもの。漆黒しっこくの口縁こうえんが灰色に変じていく首は明けそめる空を、ニュアンスに富む肌合いの胴は、まさに朝霧の景を思わせます。このふっくらした胴部に不思議なくぼみがひとつ。つやつやと黒釉をたたえる円形は、ぽたり、と露が滴したたり落おちた痕のようです。「瀏りゅう」とは、明るいこと、清らかなこと、澄んでいることを意味する語。銘に違たがわぬ凛りんとした気配が、うつわ全体に漂っています。さまざまな技法や釉薬や器形に挑戦し、モダンな作品を生みつづけた三代良斎。彼が死の前年の日展にってんに出品した、最終地点にあたる花瓶です。(坂本恭子)
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光沢のある黒い釉薬を全面にかけ、その上に収縮しやすい白い釉薬を重ねています。ひび割れた肌は、焼成によって白釉が収縮してできたもの。漆黒の口縁が灰色に変じていく首は明けそめる空を、ニュアンスに富む肌合いの胴は、まさに朝霧の景を思わせます。このふっくらした胴部に不思議なくぼみがひとつ。つやつやと黒釉をたたえる円形は、ぽたり、と露が滴り落ちた痕のようです。「瀏」とは、明るいこと、清らかなこと、澄んでいることを意味する語。銘に違わぬ凛とした気配が、うつわ全体に漂っています。
さまざまな技法や釉薬や器形に挑戦し、モダンな作品を生みつづけた三代良斎。彼が死の前年の日展に出品した、最終地点にあたる花瓶です。
(坂本恭子)