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無背景に、座る舞妓がひとり。それだけ、ゆえに、麦僊という画家の力量がうかがえる小品です。座る舞妓のかたちを、ひとつの三角形と捉えてみましょう。頭を頂点に、末広がりに座面へ流れる着物の裾すそと帯。舞妓の身体はこの三角形の中にすっぽり収まっていて、とても安定した、文字通り「座り」の良いかたちです。さらに、三角形の頂点(頭部)から下辺(座面)へ垂直の線を一本引いた時、髪飾り、半襟はんえり、帯おび揚あげ、袖からのぞく襦袢じゅばんの赤がその垂直線上に集まって、画面を引き締めます。輪郭線はか細く、途切れたり、にじんだような色の塗り方をしたり、全体的にぼやっとした印象になりそうなところを、三角のかたちと赤の締め色が支えているのです。(日比野民蓉)
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無背景に、座る舞妓がひとり。それだけ、ゆえに、麦僊という画家の力量がうかがえる小品です。座る舞妓のかたちを、ひとつの三角形と捉えてみましょう。頭を頂点に、末広がりに座面へ流れる着物の裾と帯。舞妓の身体はこの三角形の中にすっぽり収まっていて、とても安定した、文字通り「座り」の良いかたちです。さらに、三角形の頂点(頭部)から下辺(座面)へ垂直の線を一本引いた時、髪飾り、半襟、帯揚げ、袖からのぞく襦袢の赤がその垂直線上に集まって、画面を引き締めます。輪郭線はか細く、途切れたり、にじんだような色の塗り方をしたり、全体的にぼやっとした印象になりそうなところを、三角のかたちと赤の締め色が支えているのです。
(日比野民蓉)