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3歳のときに来日し、日本画家に学んだフランス人のジャクレーが、「若礼ジャクレー版画研究所」を立ち上げるのは1933年。以降、160点を超える木版画の下絵を手がけますが、この作品は記念すべき第一号で、『世界風俗版画集』に収められました。彫りは山岸主やまぎしかず計え、摺すりは漆原うるしばら栄えい次じ郎ろう、いずれも当代随一とうだいずいいちの職人です。絵師のやわらかな筆線を、まつ毛の連なりにいたるまで再現する彫りの業わざ。輪郭にわずかに色を添えて人物の肉感を出し、背景は雲き母らで仕上げる摺りのセンス。少女と大輪の花、たった二つのモチーフで、南洋の潮の香や太陽の光まで想起させる、匂いたつようなジャクレーの「絵」の力は、これらの技術に支えられて「版画」に転生しました。(坂本恭子)
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3歳のときに来日し、日本画家に学んだフランス人のジャクレーが、「若礼版画研究所」を立ち上げるのは1933年。以降、160点を超える木版画の下絵を手がけますが、この作品は記念すべき第一号で、『世界風俗版画集』に収められました。彫りは山岸主計、摺りは漆原栄次郎、いずれも当代随一の職人です。
絵師のやわらかな筆線を、まつ毛の連なりにいたるまで再現する彫りの業。輪郭にわずかに色を添えて人物の肉感を出し、背景は雲母で仕上げる摺りのセンス。少女と大輪の花、たった二つのモチーフで、南洋の潮の香や太陽の光まで想起させる、匂いたつようなジャクレーの「絵」の力は、これらの技術に支えられて「版画」に転生しました。
(坂本恭子)