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南北が逆転した大きな地図は、1891年の『海外殖民論かいがいしょくみんろん』という本からとられました。右下方に日本列島があり、横浜から、南北アメリカ、オーストラリア、南洋諸島、中国へと航路がのびています。この古い地図の上に散っているのは、太平洋戦争下に没した貨物船や戦闘機、1946年のビキニ環礁かんしょうの核実験で沈んだ戦艦長せんかんなが門との海中写真を刷ったガラス片――。 1859年に港を開き、海を介して外とのつながりを回復していく近代日本の道程みちのりは、ときに他国への侵略をともなうものでした。「シャタード・ブルー」、直訳するなら「打ち砕かれた青い海」。明治の地図と昭和の遺物の写真を重ねた作品は、太平洋に堆積たいせきする歴史の痛みを現在いまに伝えています。(坂本恭子)
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南北が逆転した大きな地図は、1891年の『海外殖民論』という本からとられました。右下方に日本列島があり、横浜から、南北アメリカ、オーストラリア、南洋諸島、中国へと航路がのびています。この古い地図の上に散っているのは、太平洋戦争下に没した貨物船や戦闘機、1946年のビキニ環礁の核実験で沈んだ戦艦長門の海中写真を刷ったガラス片――。
1859年に港を開き、海を介して外とのつながりを回復していく近代日本の道程は、ときに他国への侵略をともなうものでした。「シャタード・ブルー」、直訳するなら「打ち砕かれた青い海」。明治の地図と昭和の遺物の写真を重ねた作品は、太平洋に堆積する歴史の痛みを現在に伝えています。
(坂本恭子)