聖母マリアに別れを告げるキリスト 画像 拡大する

せいぼマリアにわかれをつげるキリスト聖母マリアに別れを告げるキリスト

作家名
トラウト、ヴォルフ トラウト、ヴォルフ
作家英名
TRAUT, Wolf 
生年
1478年頃/1485-86年頃
没年
1520年
制作年
1516年頃 
技法、材質、形状
木版 
縦(高) × 横(幅) × 奥行(厚)
29.4×25.8cm 
受入種別
寄贈 
寄贈者名
小島豊氏寄贈(小島烏水旧蔵)
分野名
版画(外国作家) 
収蔵品番号
2011-PRF-031 

16世紀の初め、ドイツでは精工な木版画が盛んにつくられました。画家が下絵を描き、彫師が梨材なしざいの板の木目に沿った面に彫りました。キリストの物語がよく採り上げられました。この作品は、これからエルサレムに行って苦しみを受けるキリストが、母マリアに別れを告げる場面です。この話は聖書にはなく、13世紀のキリスト教文学で登場しました。トラウトはドイツ南部の美術工芸の中心地ニュルンベルクの画家です。同じ街の巨匠きょしょうデューラーの作品を参考にしつつも、より温和な作風で人気を呼びました。キリストは前かがみになって、袖にすがるマリアの右手を両手で優しく包んでいます。大きな枯れ木が十字架にかけられる子の宿命を予告しています。
(中村尚明)

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