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簡素な竹垣の下に、石蕗つわぶき(あるいは蕗ふき?)が群生しています。特徴的な大きなまるい葉っぱ。まず薄緑色でかたちをとり、上から茶がかった色を載せ、塗り残した部分を葉脈にしたり、暗めの緑をぽつぽつ加えて葉の窪くぼみを描いたり。どこにも「線」と呼べるものはなく、色のにじみと塗りかさねだけで絵ができています。開港後の横浜に居留していたチャールズ・ワーグマンから、西洋の油絵や水彩、鉛筆素描を学んだ五姓田義松。その作品には、目の前のものをさっと描いた瑞々みずみずしい紙片が膨大に含まれています。庭の一隅か道端にのびる小さな植物を、小さな小さな画面にとどめたこの絵にも、新しい技法をためす、画家の大きな喜びがつまっているようです。(坂本恭子)
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簡素な竹垣の下に、石蕗(あるいは蕗?)が群生しています。特徴的な大きなまるい葉っぱ。まず薄緑色でかたちをとり、上から茶がかった色を載せ、塗り残した部分を葉脈にしたり、暗めの緑をぽつぽつ加えて葉の窪みを描いたり。どこにも「線」と呼べるものはなく、色のにじみと塗りかさねだけで絵ができています。
開港後の横浜に居留していたチャールズ・ワーグマンから、西洋の油絵や水彩、鉛筆素描を学んだ五姓田義松。その作品には、目の前のものをさっと描いた瑞々しい紙片が膨大に含まれています。庭の一隅か道端にのびる小さな植物を、小さな小さな画面にとどめたこの絵にも、新しい技法をためす、画家の大きな喜びがつまっているようです。
(坂本恭子)