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ひとつの物としてこの屋や形船かたぶねを描くなら、船から離れて、横から描くのが適しているでしょう。しかし、この作品はこちらを向く女性と目が合うような場所、おそらく船の端に座っている乗客の視点から描かれています。すると、船という対象は客観的に見られるのではなく、主観的に体験されるものになるのです。こうしたその場を切り取る感覚は、作者のワーグマンが新聞社の記者として中国、そして日本に派遣され、時事的な出来事や風俗をスケッチするのを仕事としていたことと無縁ではないでしょう。日本文化へのイギリス人なりのノスタルジーとともに、いままさに目の前で起きていることにワーグマンの目は向けられているのです。(南島 興)
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ひとつの物としてこの屋形船を描くなら、船から離れて、横から描くのが適しているでしょう。しかし、この作品はこちらを向く女性と目が合うような場所、おそらく船の端に座っている乗客の視点から描かれています。すると、船という対象は客観的に見られるのではなく、主観的に体験されるものになるのです。こうしたその場を切り取る感覚は、作者のワーグマンが新聞社の記者として中国、そして日本に派遣され、時事的な出来事や風俗をスケッチするのを仕事としていたことと無縁ではないでしょう。日本文化へのイギリス人なりのノスタルジーとともに、いままさに目の前で起きていることにワーグマンの目は向けられているのです。
(南島 興)