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山口長男は戦前期には大胆な色彩と筆遣いを特徴とする具象的な作品で注目されますが、1930年代から抽象画に転じました。戦後は、使う色を限定して、黒くろ地じに赤土色あかつちいろや黄おう土ど色いろの絵の具を塗りこめて単純な形を構成する作風を築いていきます。やがて黒地の部分は小さくなり、赤土色や黄土色がニュアンスをもって画面をおおいつくす作風に変化し、国内外で高い評価をえました。山口はこの色を「性格色」と呼び、赤土色は生まれた朝鮮半島の、黄土色は中国大陸南部の風土に由来すると言います。タイトルの「軌」は、車輪のあとを意味しますが、確かに黄土色の大地に刻まれたわだちのようにも見えます。(柏木智雄)
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山口長男は戦前期には大胆な色彩と筆遣いを特徴とする具象的な作品で注目されますが、1930年代から抽象画に転じました。戦後は、使う色を限定して、黒地に赤土色や黄土色の絵の具を塗りこめて単純な形を構成する作風を築いていきます。やがて黒地の部分は小さくなり、赤土色や黄土色がニュアンスをもって画面をおおいつくす作風に変化し、国内外で高い評価をえました。山口はこの色を「性格色」と呼び、赤土色は生まれた朝鮮半島の、黄土色は中国大陸南部の風土に由来すると言います。タイトルの「軌」は、車輪のあとを意味しますが、確かに黄土色の大地に刻まれたわだちのようにも見えます。
(柏木智雄)