藤原保昌月下弄笛図 画像 拡大する

ふじわら の やすまさ げっか ろうてき の ず藤原保昌月下弄笛図

作家名
ツキオカ ヨシトシ 月岡 芳年
作家英名
TSUKIOKA, Yoshitoshi 
生年
1839年
没年
1892年
制作年
1883年(明治16年) 
技法、材質、形状
木版 
縦(高) × 横(幅) × 奥行(厚)
用紙: 35.9 x 72.1 cm 
受入種別
寄贈 
寄贈者名
加藤栄一氏
分野名
版画(日本作家) 
収蔵品番号
85-PRJ-134 

主題は『今昔物語集こんじゃくものがたりしゅう』や『宇治拾遺物語うじしゅういものがたり』が伝える、平安中期の貴族・藤原保昌ふじわらのやすまさと大盗賊・袴垂はかまだれの物語。肌寒い秋の夜、笛を吹きつつ歩く保昌の衣を奪おうと後をつけながら、なぜか恐ろしくて手が出せない袴垂はかまだれ。何度も斬りかかろうとし、足音たかく駆け寄っても、相手はまったく動じない。ついにはその家に連れていかれ、衣をもらったうえに、身の安全までさとされる始末。
風になびくすすき狩衣かりぎぬの袖が強調する斜めの動き。それとは逆向きに身がまえる盗賊と、直立する貴族のポーズの対比が、画面に緊張感を生んでいます。刀をにぎる袴垂はかまだれに、ちらとまなこを開くだけの保昌。そんな細部にも、名高い盗賊を震えあがらせた“ごうもの”がたくみに表現されています。
(坂本恭子)

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