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セザンヌは同じモチーフを繰り返し描くことがありました。サント=ヴィクトワール山はその代表ですが、この作品に描かれた数年後に結婚相手となるマリー=オルタンス・フィケもその対象でした。セザンヌは計27点のオルタンスをモデルとした油彩画を描きました。本来、斜め横から捉えられた顔はモデルの表情を描くのに向いていますが、この作品ではどうでしょう。頬の明るさはわずかに感じられるものの、表情は机上の静物のように硬直し、ほかの要素とともに画面を構成する一要素としてたたずんでいます。「りんごは動かないぞ」とオルタンスに向かって言い放ったというセザンヌにとっては、りんごも人間も絵の中では同等の存在であったようです。(南島 興)
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セザンヌは同じモチーフを繰り返し描くことがありました。サント=ヴィクトワール山はその代表ですが、この作品に描かれた数年後に結婚相手となるマリー=オルタンス・フィケもその対象でした。セザンヌは計27点のオルタンスをモデルとした油彩画を描きました。本来、斜め横から捉えられた顔はモデルの表情を描くのに向いていますが、この作品ではどうでしょう。頬の明るさはわずかに感じられるものの、表情は机上の静物のように硬直し、ほかの要素とともに画面を構成する一要素としてたたずんでいます。「りんごは動かないぞ」とオルタンスに向かって言い放ったというセザンヌにとっては、りんごも人間も絵の中では同等の存在であったようです。
(南島 興)