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のちに風景画の傑作《近江おうみ八景はっけい》や《熱国ねっこく之の巻まき》で新たな境地をひらく横浜生まれの画家・今村紫紅は、初期には歴史画に新機軸を見出すことに熱中しました。平安時代の武将・平将門たいらのまさかどは、朝廷に不満を持つ人びとに支持されて自ら「新皇」を名乗り、のちの書物では「平親王」と記されるようになります。浮世絵などでは怨霊おんりょうや闘神とうしんのイメージが強い人物です。しかしここでは神しん宝ぽうの太た刀ちを手に黙もっ考こうし、強い決意をみなぎらせたような表情をしています。明治の世では、天皇の逆賊を描くことは禁きん忌きでしたが、あえてそれに挑戦した紫紅の意欲と奔ほん放ぽうさを物語る作品です。(内山淳子)
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のちに風景画の傑作《近江八景》や《熱国之巻》で新たな境地をひらく横浜生まれの画家・今村紫紅は、初期には歴史画に新機軸を見出すことに熱中しました。平安時代の武将・平将門は、朝廷に不満を持つ人びとに支持されて自ら「新皇」を名乗り、のちの書物では「平親王」と記されるようになります。浮世絵などでは怨霊や闘神のイメージが強い人物です。しかしここでは神宝の太刀を手に黙考し、強い決意をみなぎらせたような表情をしています。明治の世では、天皇の逆賊を描くことは禁忌でしたが、あえてそれに挑戦した紫紅の意欲と奔放さを物語る作品です。
(内山淳子)