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『伊勢物語いせものがたり』は、実在の高貴な身分の男、在原業平ありわらのなりひらを主人公にしたとされる平安時代の物語で、歌にまつわる話が編まれています。これは、男が結ばれることが許されない女を連れだし、丈たけの高い薄すすきや萱かやが茂る武蔵野に逃げ込んだ話。松明たいまつを手に武装した追手が、野に火を放って女をさらった盗人ぬすびとをあぶり出そうとします。そのとき女は、男が隠れる野を焼かないでくれと恋心を歌に詠よみました。おかげで、ふたりの命は助かりました。枯れかかる葉の重なりは、リズムを刻む筆運びで描かれています。そのため野の広がりが感じられます。女の顔は描かれていませんが、身を寄せる男女に、互いを慕う思いの強さが託されています。(八柳サエ)
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『伊勢物語』は、実在の高貴な身分の男、在原業平を主人公にしたとされる平安時代の物語で、歌にまつわる話が編まれています。これは、男が結ばれることが許されない女を連れだし、丈の高い薄や萱が茂る武蔵野に逃げ込んだ話。松明を手に武装した追手が、野に火を放って女をさらった盗人をあぶり出そうとします。そのとき女は、男が隠れる野を焼かないでくれと恋心を歌に詠みました。おかげで、ふたりの命は助かりました。
枯れかかる葉の重なりは、リズムを刻む筆運びで描かれています。そのため野の広がりが感じられます。女の顔は描かれていませんが、身を寄せる男女に、互いを慕う思いの強さが託されています。
(八柳サエ)