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紫紅は、樹木の枝に止まる小鳥を描いた絵に優れた作品を多く残しています。これもそのひとつ。直立の姿勢で止まる鷽うそと、枇び杷わの枝が、余白と描き込む部分の心地よいバランスで配され、縦長の画面に構成されています。鷽は、鷽うそ替かえで知られる鳥。鷽替えは、鷽をかたどった木彫に一年中の嘘を託して神に収めると罪が償つぐなわれるとされる、凶を吉に取り替える民間信仰。太だ宰ざい府ふ天満宮てんまんぐうなどで行われる正月の神事です。この絵の鷽は、広義にとらえられた鷽の亜あ種しゅの姿で描かれています。枇杷の実はまだ十分熟うれていない様子で、枇杷の旬に照らすとこれは、正月よりも春たけなわの頃でしょうか。吉をもたらすように描かれたものかもしれません。(八柳サエ)
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紫紅は、樹木の枝に止まる小鳥を描いた絵に優れた作品を多く残しています。これもそのひとつ。直立の姿勢で止まる鷽と、枇杷の枝が、余白と描き込む部分の心地よいバランスで配され、縦長の画面に構成されています。鷽は、鷽替えで知られる鳥。鷽替えは、鷽をかたどった木彫に一年中の嘘を託して神に収めると罪が償われるとされる、凶を吉に取り替える民間信仰。太宰府天満宮などで行われる正月の神事です。この絵の鷽は、広義にとらえられた鷽の亜種の姿で描かれています。枇杷の実はまだ十分熟れていない様子で、枇杷の旬に照らすとこれは、正月よりも春たけなわの頃でしょうか。吉をもたらすように描かれたものかもしれません。
(八柳サエ)