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画面中央の少し右下、マントの袖口から出る右手が見えるでしょうか。この作品では毛皮をまとう女性が木板に挟はさまれる形でコラージュ風に描かれているようです。これに似た構図は、同年に完成していた版画集『博物誌』にすでに見られるので、この作品の特異性はコラージュ的表現を油彩画で試している点にあると言えます。手法としてはカンヴァスの下に凹凸のある素材を敷いて、上からパレットナイフなどで絵の具を擦こすり落おとしていくグラッタージュが木目や毛皮の部分に使われています。こうして浮かび上がった羽毛のマントのイメージは、どこか鳥の姿を思わせます。鳥はエルンスト自身の「分身」とも言われ、彼が長年、偏愛した対象でした。(南島 興)
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画面中央の少し右下、マントの袖口から出る右手が見えるでしょうか。この作品では毛皮をまとう女性が木板に挟まれる形でコラージュ風に描かれているようです。これに似た構図は、同年に完成していた版画集『博物誌』にすでに見られるので、この作品の特異性はコラージュ的表現を油彩画で試している点にあると言えます。手法としてはカンヴァスの下に凹凸のある素材を敷いて、上からパレットナイフなどで絵の具を擦り落としていくグラッタージュが木目や毛皮の部分に使われています。こうして浮かび上がった羽毛のマントのイメージは、どこか鳥の姿を思わせます。鳥はエルンスト自身の「分身」とも言われ、彼が長年、偏愛した対象でした。
(南島 興)