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岩手大学在学中に演劇を志していた村上が、美術へ転向しはじめて本格的に制作した作品。後に作家はこの作品について、画材を求める資金がなかったため、舞台装置用の角材を組み立て、手近な洋服の芯しん地じを張ってカンヴァス風に仕立てたと証言しています。絵具も、染物の染料や胡ご粉ふんを亜あ麻ま仁に油ゆで溶いた手作りのものでした。画面の一部には別の布地が貼り込まれ、また粗あらい粒を混ぜて立体的に描いた部分やひっかいた線も見られます。このように画面の随所から、身近な材料を工夫した作家の格闘の跡と、絵画制作への意気込みが感じられます。村上は、この作品で公募の展覧会の初入選を果たします。それがこの作家のデビューとなりました。(片多祐子)
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岩手大学在学中に演劇を志していた村上が、美術へ転向しはじめて本格的に制作した作品。後に作家はこの作品について、画材を求める資金がなかったため、舞台装置用の角材を組み立て、手近な洋服の芯地を張ってカンヴァス風に仕立てたと証言しています。絵具も、染物の染料や胡粉を亜麻仁油で溶いた手作りのものでした。画面の一部には別の布地が貼り込まれ、また粗い粒を混ぜて立体的に描いた部分やひっかいた線も見られます。このように画面の随所から、身近な材料を工夫した作家の格闘の跡と、絵画制作への意気込みが感じられます。村上は、この作品で公募の展覧会の初入選を果たします。それがこの作家のデビューとなりました。
(片多祐子)