ラプラース展開 画像 拡大する

ラプラス てんかいラプラース展開

作家名
ムラカミ ヨシオ 村上 善男
作家英名
MURAKAMI, Yoshio 
生年
1933年
没年
2006年
制作年
1959年(昭和34年) 
技法、材質、形状
油彩、カンヴァス 
縦(高) × 横(幅) × 奥行(厚)
183.0 x 220.0 cm 
受入種別
購入 
分野名
油彩その他の絵画(日本作家) 
収蔵品番号
89-OJ-005 

熊手のような赤い形は、人の手を表したもの。赤く染まった無数の手は、画面いっぱいに張りめぐらされた鋭い線を突き抜けようと、必死にもがいているかのようです。1955年に村上は、石川県で起きたアメリカ軍による砲弾ほうだん試射場ししゃじょう開設への反対運動に取材した絵を描きました。そこでは人々の怒りがゆう鉄線てっせんを引きちぎる赤い手として表現され、赤い手と黒い線による「あやりシリーズ」が生まれます。タイトルの《ラプラース展開》とは、フランスの数学者にちなみ名付けられた数学の余因子展開(4×4以上の行列式を計算する方法)のこと。社会風刺の意味合いを含むシリーズに位置づけられるものの、より抽象的な発想も感じさせます。
(片多祐子)

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