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この作品は最初バルサ材で作られ、後からそれをもとにブロンズで鋳ちゅう造ぞうされたものです。バルサは模型飛行機の材料に用いられるほど軽い木材で、柔らかく、ナイフで簡単に削れます。背の高い柱で支えられた小さな天てん板ばんから、何本かの骨のような細長い棒が糸で吊つり下げられました。それらはそよ風が吹くだけでゆらゆらと揺ゆれて、命のはかなさを表現していました。やがてノグチは、「重さのなさに意味を与えるのは重さだ」と考えるようになります。宙ちゅう吊づりの状態を重いブロンズで表現することで、「はかなさ」という主題は一層際きわ立だつのです。彫刻家は「重いものは軽いように、軽いものは重いように扱いなさい」という茶さ道どうの教えを思い出したのです。(中村尚明)
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この作品は最初バルサ材で作られ、後からそれをもとにブロンズで鋳造されたものです。バルサは模型飛行機の材料に用いられるほど軽い木材で、柔らかく、ナイフで簡単に削れます。背の高い柱で支えられた小さな天板から、何本かの骨のような細長い棒が糸で吊り下げられました。それらはそよ風が吹くだけでゆらゆらと揺れて、命のはかなさを表現していました。やがてノグチは、「重さのなさに意味を与えるのは重さだ」と考えるようになります。宙吊りの状態を重いブロンズで表現することで、「はかなさ」という主題は一層際立つのです。彫刻家は「重いものは軽いように、軽いものは重いように扱いなさい」という茶道の教えを思い出したのです。
(中村尚明)