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ノグチは1963年頃から1970年代はじめにかけて、夏になると大理石産地として有名なイタリアのピエトラサンタの隣町、クエルチェタで大理石の作品と取り組みました。ひとつの大きな石の塊を彫ったのではありません。色の違う二種類の小さな石をたくさんつなぎ合わせて、太いチューブを曲げたような、柔らかさと動きのある形が作られました。石の中には金属ワイヤーが通してあり、その両端を引っ張ることで形が崩れない工夫がなされています。この《下方へ引く力》もそのひとつ。ばねの一周分の螺旋形らせんけいで、後ろは白大理石の角材で持ち上げられています。浮き上がろうとする形と下に向かう重力が、石の中の引っ張りあう力によってひとつになっています。(中村尚明)
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ノグチは1963年頃から1970年代はじめにかけて、夏になると大理石産地として有名なイタリアのピエトラサンタの隣町、クエルチェタで大理石の作品と取り組みました。ひとつの大きな石の塊を彫ったのではありません。色の違う二種類の小さな石をたくさんつなぎ合わせて、太いチューブを曲げたような、柔らかさと動きのある形が作られました。石の中には金属ワイヤーが通してあり、その両端を引っ張ることで形が崩れない工夫がなされています。この《下方へ引く力》もそのひとつ。ばねの一周分の螺旋形で、後ろは白大理石の角材で持ち上げられています。浮き上がろうとする形と下に向かう重力が、石の中の引っ張りあう力によってひとつになっています。
(中村尚明)