磔刑(脇腹を槍で刺されるキリスト)(マティアス・リンクマン編『キリストの受難』の挿画) 画像 拡大する

磔刑(脇腹を槍で刺されるキリスト)(マティアス・リンクマン編『キリストの受難』の挿画)

作家名
グラーフ、ウルス グラーフ、ウルス
作家英名
GRAF, Urs 
生年
1485年頃
没年
1527-29年頃
制作年
1503年頃(1507年または1509年、ヨハン・クノブロッフ刊行[推定]) 
技法、材質、形状
木版 
縦(高) × 横(幅) × 奥行(厚)
21.8X15.5cm(烏水コレクション1) 
受入種別
購入 
分野名
版画(外国作家) 
収蔵品番号
91-PRF-034 

16世紀初頭の木版画です。キリストが十字架にかけられた場面で、裏にはその物語が活字で印刷されています。1506年頃にストラスブールで出版された『リンクマンの受難伝』という本の1ページでした。著者のリンクマンは聖書で4通りに書かれている物語をひとつにまとめ、ドイツ語に訳しました。母国語の聖書がなかった当時、この本は評判となりました。版画の下絵を描いたのはスイス生まれの若き画家ウルス・グラーフです。苦しみに身体をくねらせた両脇の罪人、こん棒を手に暴力をふるう兵士たちに比べ、静かにこうべを垂れるキリスト。馬上から見つめる百卒長ひゃくそつちょう(ローマ軍の百人隊の長)は、キリストが神の子であることを悟ります。
(中村尚明)

Page Top