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16世紀初頭の木版画です。キリストが十字架にかけられた場面で、裏にはその物語が活字で印刷されています。1506年頃にストラスブールで出版された『リンクマンの受難伝』という本の1ページでした。著者のリンクマンは聖書で4通りに書かれている物語をひとつにまとめ、ドイツ語に訳しました。母国語の聖書がなかった当時、この本は評判となりました。版画の下絵を描いたのはスイス生まれの若き画家ウルス・グラーフです。苦しみに身体をくねらせた両脇の罪人、こん棒を手に暴力をふるう兵士たちに比べ、静かにこうべを垂れるキリスト。馬上から見つめる百卒長ひゃくそつちょう(ローマ軍の百人隊の長)は、キリストが神の子であることを悟ります。(中村尚明)
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16世紀初頭の木版画です。キリストが十字架にかけられた場面で、裏にはその物語が活字で印刷されています。1506年頃にストラスブールで出版された『リンクマンの受難伝』という本の1ページでした。著者のリンクマンは聖書で4通りに書かれている物語をひとつにまとめ、ドイツ語に訳しました。母国語の聖書がなかった当時、この本は評判となりました。版画の下絵を描いたのはスイス生まれの若き画家ウルス・グラーフです。苦しみに身体をくねらせた両脇の罪人、こん棒を手に暴力をふるう兵士たちに比べ、静かにこうべを垂れるキリスト。馬上から見つめる百卒長(ローマ軍の百人隊の長)は、キリストが神の子であることを悟ります。
(中村尚明)