当サイトではJavaScriptを使用しております。 JavaScriptをONにして再読み込みを行ってください。
このページの本文へ移動
横浜美術館コレクション検索
English
コレクション検索TOPへ
真昼の強い日ざしは過ぎ、夕日に傾いた頃。隅田川のほとりで涼すずむひとりの女性。作者の鏑木清方は、「私などのように、江戸の血統を引いて生まれた東京人が、今以って隅田川に懐いだく夢を捨てきれずにいる」と語っています。隅田川を通して、江戸時代への憧れを描いたのでしょうか。昭和の作品ですが、女性の髪型は江戸時代に流行したものです。また、浴衣に描かれた朝顔は、すぐに花がしぼんでしまうため、はかなさを象徴するものでもあります。古き良き時代、真夏の暑さ、人の若さなど、いつかは移り変わるはかないものであっても、せめて絵の中には留めておきたいという、描き手の心が映しだされているのかもしれません。(日比野民蓉)
Page Top
真昼の強い日ざしは過ぎ、夕日に傾いた頃。隅田川のほとりで涼むひとりの女性。作者の鏑木清方は、「私などのように、江戸の血統を引いて生まれた東京人が、今以って隅田川に懐く夢を捨てきれずにいる」と語っています。隅田川を通して、江戸時代への憧れを描いたのでしょうか。昭和の作品ですが、女性の髪型は江戸時代に流行したものです。また、浴衣に描かれた朝顔は、すぐに花がしぼんでしまうため、はかなさを象徴するものでもあります。古き良き時代、真夏の暑さ、人の若さなど、いつかは移り変わるはかないものであっても、せめて絵の中には留めておきたいという、描き手の心が映しだされているのかもしれません。
(日比野民蓉)