遊女 画像

ゆうじょ遊女

作家名
カブラキ キヨカタ 鏑木 清方
作家英名
KABURAKI, Kiyokata 
生年
1878年
没年
1972年
制作年
1918年(大正7年) 
技法、材質、形状
絹本着色、二曲屏風一隻 
縦(高) × 横(幅) × 奥行(厚)
161.1 x 169.6 cm 
受入種別
購入 
分野名
日本画 
収蔵品番号
96-JP-001 

描かれているのは、清方がその世界観に魅せられたいずみ鏡花きょうかの小説『通夜つや物語』に登場する遊女。遊女と若く貧しい画家の悲恋物語で、意地と矜持きょうじを貫いた遊女が自死することで、互いの愛を永遠なものにする、という結末が待っています。しかしこの絵では、物語の説明的な要素は描かれません。背景は、画面の絹の裏から金箔を貼る「裏箔うらはく」の技法で作られています。鈍く柔らかい光をたたえた空間に、流れるような曲線で遊女の姿が対角線上に大きく描かれ、鮮烈な美しさが際立ちます。まなざしはうつろでありながら、見る人をゾクッとさせるすごみを感じさせます。見た目の美しさだけではなく人の心の機微を描いた、清方芸術の真髄しんずいといえる作品です。
(内山淳子)

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