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安田靫彦が22歳の時の作品です。靫彦は仲間とともに若手日本画家による研究会「紅こう児じ会かい」を結成し、歴史画の研究を意欲的に行っていました。この年の会の展覧会では「謡よう曲きょく」を研究課題とし、靫彦は夢む幻能げんのうの『松風』を題材にこの絵を出品しました。描かれるのは、旅の僧が出会う海あ女まの姉妹の亡霊。生前に歌人・在原行平ありわらのゆきひらの愛情を受けたことを思い出し、悲しみにくれています。能では姉の松風が心乱れて舞い、妹の村雨むらさめがそれをなだめます。この絵では薄闇うすやみに浮かびあがる二人の表情やたたずまいを丹念に描き、その心の内に迫るような表現を試みています。仕事道具の汐汲桶しおくみおけが浜に転がり、二人がそこに実在しているかのような臨場感を高めています。(内山淳子)
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安田靫彦が22歳の時の作品です。靫彦は仲間とともに若手日本画家による研究会「紅児会」を結成し、歴史画の研究を意欲的に行っていました。この年の会の展覧会では「謡曲」を研究課題とし、靫彦は夢幻能の『松風』を題材にこの絵を出品しました。描かれるのは、旅の僧が出会う海女の姉妹の亡霊。生前に歌人・在原行平の愛情を受けたことを思い出し、悲しみにくれています。能では姉の松風が心乱れて舞い、妹の村雨がそれをなだめます。この絵では薄闇に浮かびあがる二人の表情やたたずまいを丹念に描き、その心の内に迫るような表現を試みています。仕事道具の汐汲桶が浜に転がり、二人がそこに実在しているかのような臨場感を高めています。
(内山淳子)