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画面の三分の二を占める空と雲。左下方に奥まっていく遠近法が、巨大な雲がムクムクわきあがり、こちらに迫ってくるような印象を生んでいます。この作品は、ドライポイントという銅版画の技法でつくられました。先のとがった道具で版を彫り、刻んだときに巻き上がる金属片(まくれ)にインクをからめ、その滲にじみも表現のひとつにする手法です。ここでも雲の立体感をつくる線や、雲が大地に落とす影、道端にはえる野草の根元に、ドライポイント特有のインクの溜たまりが認められます。まくれを削ればすっきりした線ができる――ふたつの味わいを組み合わせて、長谷川潔は、吹きすさぶ南仏の風さえ感じさせるダイナミックな風景版画を実現しました。(坂本恭子)
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画面の三分の二を占める空と雲。左下方に奥まっていく遠近法が、巨大な雲がムクムクわきあがり、こちらに迫ってくるような印象を生んでいます。
この作品は、ドライポイントという銅版画の技法でつくられました。先のとがった道具で版を彫り、刻んだときに巻き上がる金属片(まくれ)にインクをからめ、その滲みも表現のひとつにする手法です。ここでも雲の立体感をつくる線や、雲が大地に落とす影、道端にはえる野草の根元に、ドライポイント特有のインクの溜まりが認められます。まくれを削ればすっきりした線ができる――ふたつの味わいを組み合わせて、長谷川潔は、吹きすさぶ南仏の風さえ感じさせるダイナミックな風景版画を実現しました。
(坂本恭子)